「ボリュームを作成した」だけでは、まだ通常のファイルを保存できません。ボリューム上にファイルシステムを作成し、それをディレクトリへマウントして初めて、OS からファイルとして利用できます。
1. 全体の流れ#
LVM を使う場合、典型的な構成は次のようになります。
ディスク
↓ パーティション
Physical Volume(PV)
↓
Volume Group(VG)
↓
Logical Volume(LV)
↓ ファイルシステムを作成
Ext4 / XFS / Btrfs など
↓ マウント
/、/home、/mnt/data など- ディスクのパーティションを LVM の PV として初期化する。
- 一つ以上の PV を VG に追加する。
- VG から LV を作成する。
- LV 上にファイルシステムを作成する。
- LV をディレクトリへマウントする。
2. ファイルシステムとは#
ファイルシステムは、ストレージ上のデータをファイルとディレクトリとして管理する仕組みです。ファイル名、権限、タイムスタンプ、データブロックの位置などのメタデータも管理します。
代表的なファイルシステムには、次のようなものがあります。
Ext4
Linux で広く利用される汎用ファイルシステムです。安定性が高く、通常のデスクトップやサーバーで使いやすい形式です。
XFS
大容量ファイルや大規模ストレージを扱う環境でよく使われます。作成後の縮小には対応しないため、容量設計に注意が必要です。
Btrfs
スナップショット、サブボリューム、チェックサムなどの機能を持つ Linux 向けファイルシステムです。
NTFS / FAT32 / exFAT / ZFS
NTFS は Windows で標準的に使われ、FAT32 と exFAT は USB メモリなどの互換性が必要な媒体で使われます。ZFS は高いデータ整合性やスナップショット機能を備えた別系統のストレージシステムです。
ファイルシステムを選ぶときは、性能、最大容量、スナップショット、復旧性、他の OS との互換性などを考慮します。
3. ボリュームとファイルシステムの違い#
LV は、ファイルシステムを保存できるブロックデバイスのようなものです。しかし、LV を作成しただけでは、OS はその中身をファイルやディレクトリとして解釈できません。
# LV を作成する
sudo lvcreate -L 100G -n data myvg
# LV 上にファイルシステムを作成する
sudo mkfs.ext4 /dev/myvg/data
# マウントポイントを作成してマウントする
sudo mkdir -p /mnt/data
sudo mount /dev/myvg/data /mnt/dataマウントポイントは、ファイルシステムと OS のディレクトリツリーを接続する入口です。マウント後は、/mnt/data の下に保存したファイルが LV 上のファイルシステムに記録されます。
4. マウントの意味#
マウントとは、ブロックデバイス上のファイルシステムを、既存のディレクトリへ接続する操作です。
/にマウントすれば、そのファイルシステムがシステムのルートになります。/homeにマウントすれば、ユーザーのホームディレクトリを別のファイルシステムに置けます。/mnt/dataにマウントすれば、データ専用の領域として利用できます。- USB メモリや外付けディスクも、マウントしてからファイルとしてアクセスします。
同じコンピュータ上で複数のディスクや LV を別々のディレクトリへマウントできるため、ファイルシステムと物理的なディスク配置を分離して管理できます。
5. 起動時のマウント#
Linux は起動時に /etc/fstab の設定を読み、ルートファイルシステム、/home、ESP、その他のデータ領域をマウントします。UUID を使うと、デバイス名が変わっても同じファイルシステムを指定しやすくなります。
lsblk -f
blkid
cat /etc/fstab6. まとめ#
- パーティションや PV は、ストレージを分割・管理する層です。
- VG は複数の PV をまとめた容量プールです。
- LV は VG から切り出した仮想的なブロックデバイスです。
- ファイルシステムは、LV やパーティションをファイルとして管理する仕組みです。
- マウントは、ファイルシステムを OS のディレクトリツリーへ接続する操作です。


